「あらルンタッタ。そんなところでどうしたの?」

森住まいのお姉さんに声をかけられた。
しーっ、と静かにするよう促して、自分と同じ木の陰に手招きする。

「なあに?あら、あの子、水竜の補佐竜さんよね。あそこで何をしているのかしら」
「花占いよ」
「花占い?花びらを一枚ずつ抜いて、好き、嫌い、っていうアレ?」
「そうなの。このところ毎日あの花畑にやって来て、占いをしているの」
「ふうん、変わった子ね。でもあそこに咲いているお花って必ず偶数枚の花びらをつける種類よね。『好き』から始めたら絶対『嫌い』で終わるの、知らないのかしら」
「知らないのよ。だから、いい結果が出るまで延々花びらをむしり続けるの。このままではお花がみんな散らされてしまうわ」
「あの子に教えてあげればいいじゃない」
「それが、木竜さんたちに口止めされているの。水竜さんがいつそのことに気づくか、賭けをしているんですって。そもそもあの場所を教えたのも木竜さんたちなの」
「まあっ。いくらなんでもやりすぎだわ、お花が全部散ってしまったら木竜の力でもまったく元通りにはできないでしょうに。わかったわ、保護責任者にガツンと言って止めさせてやるから安心してちょうだい」
「本当?ありがとう、お姉さん!」

その後、森の精霊に召喚された木竜術士が花畑を元通りに復元し、水竜には真実を伝えて占いをやめるよう言い渡し、木竜たちには散々説教したうえで精霊と水竜に謝罪させたという話を聞いた。

コーセルテルは今日も平和だ。






花占い(ひだり/2006年3月20日寄贈)

ひだりさん作、リリック受難小ネタその4です。

花占いについては「“嫌い”で終わりそうになったときは次の花・・・」というネタはよく目にするんですが、まさか最初から偶数
枚数の花びらで占いをさせるとは。木竜コンビ、相変わらずの悪巧みっぷりです。
まあ、それに気付かないで真剣に占いに没頭しちゃう辺りが、リリックのかわいさの所以なんですけどね(邪笑)。

ひだりさん、ありがとうございます!!!