−あとがき−
「音楽元ネタ小説」第18弾、「Dandelion Hill」これにて完結です。「夏の手紙」シリーズもこれで4作目、
このシリーズの作品がここまで増えるとは作者である僕自身も予想していませんでした(笑)。恐ろしい
ことに、まだまだネタがあったりします・・・やはり、優秀なイラスト担当者が付いてくださると違いますね
(邪笑)。
さて、ではここから例によって元ネタになった音楽の解説や内容の補足などをしていきたいと思います。
この小説は、T-SQUAREの『Dandelion Hill』という曲を聴きながら書いた話でした。そうです・・・もう
お気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、これは第14作の元ネタである『DAISY FIELD』と対に
なっている曲で、僕としては「シゼリアが空を眺めているシーン」とよくシンクロしている気がしています。
この話は、珍しく「初めにネタありき」という状態から執筆が始まった話でした(とは言っても、「学校の
話を書こう」程度のものでしたけど(笑))。2004年の夏コミにて『夏の手紙』オフライン版(『夏の手紙』
『After the Rain』収録)を出版してみたんですが、その挿絵を担当していただいた崎沢彼方さんとの
メールのやり取りの中で、“今後拝んでみたいイラスト”として「テラたちの学校時代なんてどうですか
ねえ」という話が出たことがありました。もちろん、こういうものは「元になる小説」があった方がイメージ
しやすいのは道理・・・ということで「じゃあ書きましょう」ということになったのでした(んな安直な(笑))。
そうです、結局今回も「身から出たサビ」だったわけですね(爆)。
この話は、テラがリカルドと死に別れる約一年半前の出来事を描いたものです。「夏の手紙」シリーズ
前作『DAISY FIELD』では木竜の二人がメインで活躍していましたので、今回は今までほとんど登場
していなかった風竜シゼリアを後半の主役に、またほぼ全編を通して水竜ルクレティアを活躍させて
みました(あ、ジークリートはもちろん皆勤で登場かつおいしい役回りです。何と言っても崎沢さん一押し
ですから(邪笑))。
「絵巻物」作品に何度か登場している「王立竜術学院」は、ほぼコーセルテルの中央、現在のマシェル
家がある辺りにあった、という設定になっています(内部の佇まいについては、僕がかつて通った東京
大学駒場キャンパスの様子を参考にしています)。午前中は講義があり、午後は竜術の実技・・・という
のが基本的なカリキュラムで、六年制を採っています。無事学院を卒業できた者は、竜都を初めとする
各都市の役所に赴いて様々な役職に就くか、あるいは学院に残って研究をするか・・・という二つの
道を選択することができます。
入学に必要なのはある程度の術力と一般的な知識であって、意志の力によって成長速度が大きく変化
する竜らしく「年齢」は考慮されません(ちなみに、同期生八人のうちジークリートやシゼリアはテラに
比べて実年齢では三歳以上若いです。もっとも、精神年齢に関してはジークリートが断然トップでしょう
けどね(笑))。
なお、学院の周囲から湖にかけてはタンポポの群生地になっています。そのため学院の別名「ダンデ
ライオン・ヒル(タンポポの丘)」とも呼ばれ、“学院の花”として採用されたタンポポは校章の図案にも
組み込まれています。
それから、今回の初登場キャラ3人について。
「夏の手紙」シリーズ陰の主役(笑)・地竜ジークリートの妹アトレーシア。この子の登場コンセプトは
ずばり「天然ボケ」でして(笑)、『夏の手紙』の同期生の中にいない性格のキャラクターを補完しようと
企んだのでした。ジークリートは自身の竜術士にも、そして妹にも年がら年中振り回されていそう
です・・・ふふふふふ、これは“今後の活躍に期待”と言ったところですかね(邪笑)。
光竜術士ジラルドは、学院の理事を務めていることからも分かるように、リカルドたちの世代からは
年齢的にかなり離れています。非常に厳格な部分があり、尊敬はしているもののフィリックはそうした
部分は苦手に思っているようです(もちろん、フィリックが作者である僕の分身であることから、ジラルド
は僕の父がモデルです)。なお、作中の「イゼルニア料理」は、ほぼ和食と考えていただいて差し支え
ないです(笑)。
風竜術士カスクは、シゼリアがほんの数歳になるまで里で竜術士をしていました。彼の本業は画家で、
里の絵を描いたためにスパイ扱いされて追放の憂き目を見ます。絵を描いているカスクの姿を強く
覚えていたシゼリアは、以後自身でも絵を描くようになり・・・それはやがて監察官として領内各地を巡る
際に役立つことになったのでした。
今回の壁紙は、学校は『RainDrop』・空は『カナリア』という素材屋さんからお借りしました。学校に
ついてですが・・・もう、見事なほど「小学校〜高校」に関する素材しかないんですね(=つまり、机が
一人一個のアレです)。この「王立竜術学院」は大学に近い位置づけなので、そうした写真を探したん
ですが・・・結局教室の中については断念しました(苦笑)。
空については、いつも使っている「シャボン玉」の壁紙でもいいかな・・・と思ったんですが、せっかく
なので写真素材で統一してみることにしました。個人的にはこの空の写真は非常にお気に入りです。
以上で、「Dandelion Hill」あとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!