−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第33弾、「GARDEN PARTY」はこれにて完結です。久しぶりに「急に書きたく
なって」と執筆した話(流石に今回は徹夜は無しでしたが(笑))は、「夏の手紙」シリーズから同窓会の
話になりました。

では、ここからは元ネタになった音楽の解説と内容の補足をしていきますね。
この小説は、フュージョングループMezzoforte(メゾフォルテ)の『GARDEN PARTY』という曲を聴いて
イメージを膨らませていった話でした。
この曲との出会いは古く、高校時代のブラスバンド部の活動まで遡ります。あるとき演奏会での
曲案にこの『GARDEN PARTY』が挙がってきたのですが、当時金管楽器のパートリーダーだった
僕は部員へのデモテープ(演奏曲の音源を録音したテープ)の配布の役目も受け持ってまして、
「どうせなら原曲も一緒に聴いた方がイメージが掴みやすいかな」と原曲の入ったCD(ベスト盤)を
買い、そしてMezzoforteにすっかりはまることになりました(笑)。
このベスト盤の名前は『Fortissimos』(フォルテシモ)で、この『GARDEN PARTY』は通常版と“ハウス
ミックス”のニバージョンが収録されています。今回元ネタにしたのはこの“ハウスミックス”の方で、
全体的に原曲よりも華やかな印象を受ける演奏になっています。それが、「夏の手紙」シリーズの
個性豊かな登場人物たちをよく表しているように感じられて、執筆の大いなる手助けと
なりました(笑)。

この話は、一連のシゼリア関連のストーリーのうちの一つです(相変わらずその最初に当たる「風の
坂道」は未執筆ですが(爆))。漉嵌の間の「さよなら」の後、果たしてシゼリアはカスクと再会することが
できたのか、そしてその後の二人の運命は・・・と興味が募るところですが、その“答え”はこの話に
全て盛り込まれています。
ちなみに、この話の骨子ですが・・・ある日寝る間際になって、急に「夜になると毎晩人外の存在が
訪れる家」「それに会うためにその家を訪れる人間」というイメージが頭の中に閃きまして(笑)。ここで
この『GARDEN PARTY』を掘り出した結果、内容がどんどん膨らんでこんな話になってしまいました。
当「絵巻物」の記念すべき第1作である「夏の手紙」。その中で語られた“同窓会”の話をここにきて
書くことになるとは、何やら運命めいたものを感じます(笑)。

この話には、豪華なことになんと1ページに1枚、計7枚もの挿絵が付けられています。作者は「絵巻物
イラスト担当」のお一人であるリンさんで、その経緯は以下のようなものです。
僕がこの話を書こうと思い立ったのは、2006年の6月の頭でした。その際に6月末が崎沢彼方さんの
誕生日であることを思い出しまして、それを口実にリンさんに「崎沢さんに誕生日プレゼントとして
小説を贈りたいんですけど、今回も挿絵をお願いできませんか」と持ちかけまして。「風邪をひいた日
〜ジークの場合〜」の時と同様に、今回もまんまと挿絵をせしめることに成功したのでした(←撲殺)。
結局小説の仕上がりが遅くなって、肝心の崎沢さんの誕生日には間に合わなかったわけですが・・・
無事先方でもこの話がアップされたことを確認しましたので、こちらでもこうしてアップに及びました。
期待以上の挿絵を提供してくださったリンさんには、この場を借りてお礼を言わせていただこうと
思います。この度はお忙しい中、本当にありがとうございました!!

最後に、今回初登場となった新キャラの解説をして、この「あとがき」を終わろうと思います。
まずは主人公のヴェイン(フルネームはヴェイン=ガウ)。彼は凄腕のアルバ料理(アルバ料理はほぼ
現在の「中華料理」と考えていただいて差し支えありません(笑))の料理人ですが、それを学んでいた
学生時代にアベルと知り合い、こうして今回彼の婚礼に立ち会うことになりました。作中の言動でも
判る通りかなりの火竜気質の持ち主で、それが縁で南大陸に渡った後、とある火竜と結婚することに
なります。
次に本作中では影の薄い、シゼリアの結婚相手のアベル(笑)。彼はシゼリアの術士であったカスクの
実の息子で、「さよなら」の後北大陸に渡ったカスクがそこで出逢った女性との間に儲けた子供です。
父譲りの強い風竜術資質を持ちますが、本人は生涯のんびりとあの家で絵を描いて過ごし、結局
一生をナーガで終えました。

残りは竜の3人ですね。まずはテラの姉である火竜フェム(「終わらない物語」のあとがきで名前だけ
登場)について。
様々なエピソードで触れられていますが、幼少時代からテラと里の両親・兄姉との関係は決して良く
ありませんでした。ただ、それはテラが竜王グラシノーラとして復帰後に少しずつ改善され、特に兄
エクスと姉フェムとの仲は劇的に好転しました。宮廷の近衛隊の隊長となったフェムはテラの護衛の
任を負ったわけですが、昔から妹に冷たく当たってきたことの反動なのか極度の“シスコン状態”に
陥り、四六時中テラにべったりの状態になります。そのせいで、やはりその気があるジークリートとの
間に諍いが絶えません(大笑)。
次に木竜シャリエ(「天使のささやき」でやはり名前だけ登場)。今回の新キャラのデザインに
当たってはあまり設定がなかったため、その多くを挿絵担当のリンさんにお任せする形になったの
ですが、シャリエについては「古風なガリ勉少女になってしまいました」とのコメントをいただきました。
確かにそんな印象を受けますが、僕個人としてはこれがドツボにはまりまして(大笑)、彼女の
イメージはすっかりこれで固定されてしまいました。本人の性格は実は暗竜気質に近く(他人のことを
なかなか信用できない)、アトレーシアは彼女にとって大切な親友となっています。
最後に、ロアの夫である暗竜ラウル(今回初登場)。この話は「夏の手紙」からおよそ30年後のことに
なります。なので、同期生たちの中にも結婚しているメンバーがいてもおかしくないよなあ・・・と思って
その候補を考えてみたんですが、結局結婚していそうなのはロアだけという結論になりまして(笑)、
こうして今回ラウルの登場となりました。実はロアの方が年上で、ラウルはロアには頭が上がり
ません(大笑)。

以上で、「GARDEN PARTY」のあとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!