−あとがき−
「音楽元ネタ小説」第21弾、「天使のささやき」これにて完結です。「夏の手紙」シリーズ第5弾は、
なんと過去話ならぬ“未来の話”になりました(笑)。
では、ここからは元ネタになった音楽の解説と、内容の補足などをしていきたいと思います。
この小説は、ruaの『天使のささやき』という歌を聴いてイメージを膨らませていった話でした。この
歌は、NHKの「青春のポップス」という番組のテーマ曲として使われていたのがきっかけで耳にしたの
ですが、そこですっかり気に入ってしまいました(・・・余談ですが、市販されているCDに収録されている
バージョンはあまり好きではなかったりします(笑)。番組で使われていた方のが聴きたいなあ・・・)。
・・・ところで、“今回は(特に)妙なタイトルだなあ”と思った人、いませんか?(笑) 実は、曲名である
『天使のささやき』は日本で独自につけられたタイトルで、原題とは全く関係ないんです(笑)。原題は
『When Will I See You Again』(直訳すると、「次に逢えるのはいつ?」)というもので、小説のイメージは
完全にこちらにシンクロしています。
この歌の歌詞は非常に単純なのですが、その中でも“Are we in love or just friends?”や、“Is this my
beginning or is this the end?”といったフレーズが心に沁みます。ruaが男女のデュオであることも
手伝って、この歌を聴くたびに、まるであの二人が歌っているような錯覚にとらわれてしまいます。
次に、この話を書くに至ったきっかけについて。
「夏の手紙シリーズ」は、大抵が僕の墓穴掘り(大笑)が発端で書き始めるのですが、今回の話は夢で
ほぼその一部始終を見たものでした(自分が登場人物の一人というわけではなく、映画を見るような
感じでした・・・第4話のエルフィートの表情が、今でも忘れられません)。というわけで、今回の「元ネタ
曲」は、小説全体ではなく特にエピローグの展開に影響を与えています。
また、少し前に相楽さんから薦めていただいた『あるりゅうにそだてられたこどものはなし』という小説が
ありました。これは、タイトルの通り竜に拾われて育った少女の話だったのですが、読んだ時にえらく
感動した覚えがあります。この夢を見るきっかけになったのは間違いなく、そういった意味ではこれも
今回の小説の「元ネタ」と言えるんじゃないかと思います。
それと・・・この話では第1〜3話にかけて、エルフィートとアルフェリアに育てられた子供(・・・結局、
最後まで名前が出ませんでした(笑))の一人称で物語が進みます。これは、絵巻物の前作『ENDLESS
LOVE』のときと同様に、さかき楓子さんの『星花火』という小説に影響を受けたものです(こちらは、
ユイシィの一人称で構成されています)。
一度「一人称」の文章に挑戦してみよう・・・と思っていたので、個人的にはそれが無事果たせて満足
しています。ただ、幼い子供の独白にはどれくらいの漢字を使うべきなのか(←僕は漢字大好き人間
です(笑))という部分には最後まで悩まされました(笑)。それらしく見えていればいいな・・・と思います。
それにしても・・・キャラクターの一人歩きとは、こういうことを言うんでしょうか(笑)。
当初は一本で完結する話として書いたはずの「夏の手紙」ですが、サイドストーリーの数が増えるに
つれて各キャラクターにまつわる設定も増え、結果として、予想もしていなかった程のスケールを持つ
シリーズになってしまいました。
最近では、作者であるはずの僕にも、これから「夏の手紙」のキャラクターがどう動き出すのか予測が
つきません(笑)。これは、まだまだネタには困らないで済みそうです(邪笑)。
以上で、「天使のささやき」あとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!