−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第34弾、「次の夢」はこれにて完結です。毎年秋になると肉体的・精神的にどうにも
ならないくらい沈み込んでしまう時期があるのですが、今年もその時期を何とか乗り切ることができ
ました。この話は、その言わば副産物です(ちなみに、去年は『Graces』という曲を作曲して決着を
つけました)。

では、ここからは元ネタになった音楽の解説や内容の補足などをしていきたいと思います。
この小説は、中西圭三さんの『次の夢』という歌を聴いているうちに不意に書きたくなった話でした。
ここのところ仕事が忙しく、また体調不良から就寝時間が早目になっていたところを、何もかも放り
出して執筆に取り組み、二晩の半徹を経て書き上げることに成功しました。流石に疲れましたが、
やはり小説は「書きたくなった書く」のが一番楽なようです(笑)。
この歌をはじめて聴いたのは、実は中学校くらいの頃だったと思います。それから長い間ずっと記憶の
片隅に埋もれていたんですが、最近になってCDの整理をしていたところ偶然にも古いシングルを発掘
しまして。久しぶりに・・・とこの歌を聴いているうちに、久しぶりに創作の意欲が湧いてきまして、
こうして何とか復調することができました。
ちなみに、中西さんの歌ではもう一曲、こちらは冬の精霊絡みでネタが思い浮かんだものがあります
ので、こちらも忘れないうちに執筆に入りたいと思います。

この話は、『夏の手紙』(テラが竜王の時代)と『ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ』(トレントが竜王の
時代)の架け橋となる話です。作中では意識して既存作品への繋がりをはっきりと示す記述を避けた
ので、唐突に思われた方も多かったと思いますが・・・いずれ「絵巻物」への関連作品の追加に従って、
各々の記述が何を指していたのかがお分かりいただけると思います。
なお、もうお気付きでしょうが、作中の“僕”のモデルは筆者である渡辺稔本人です。この話に書かれて
いる内容のうち、“少女”及びその他の登場人物のモデルが誰なのか。どこまでが事実でどこからが
空想なのか・・・あるいは、どこまでが僕の本心でどこからが希望なのかは、今は敢えて明らかに
しません。この話に登場した大量の伏線が解決された日が、恐らくこの「絵巻物」というコーナーの
終わりの日になるのだと思います。まずは、この場を借りて「告白」をすることができて、僕個人と
しては大分心が晴れました(それが相手に伝わるかどうかはまあ、分からないわけですが(苦笑))。

作中で“僕”が終の棲家として手に入れたという家。モデルはもちろん、『となりのトトロ』でサツキ一家が
住むことになった家です。
『PURE AGAIN』のシリーズでもクスノキが重要な位置付けで登場していますが、この木は僕の子供
時代に常に身近にあった木でした。近くの公園、そして小学校には多くののクスノキが植えられており、
その独特の香りを嗅ぐと今でも懐かしい子供時代の思い出が鮮烈に蘇ります。

以上で、「次の夢」のあとがきはおしまいです。
興味を持たれた方は、原曲をお聴きになることをお勧めします。