−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第28弾、『フラッシュバック』はこれにて完結です。「漉嵌の間」にかかりきりになった
結果、「絵巻物」本伝への作品は実に半年ぶりということになりました(爆)。

さて、ではここからは例によって元ネタとなった音楽の解説と内容の補足をしたいと思います。
この小説は、コナミ矩形波倶楽部の『フラッシュバック』という曲を聴いて思い付いた話でした。この曲を
初めて聴いたのはもう十年以上も前のことになりますが、そのとき「実に曲想と題名がよくあった曲だ
なあ」といたく感動したのを今でも覚えています(なお、その後『宇宙家族カールビンソン』のイメージ
曲の一つとして作曲した『集合写真』は、この『フラッシュバック』の影響をもろに受けています(笑))。
“フラッシュバック”とは映画や小説での回想シーンへの瞬間的な切り返しのことで、久しぶりにMDを
引っ張り出してこの曲を聴いた際に「あ、これはトトの晩年のイメージに合うんじゃないかな」と思って
しまったのが運の尽き(笑)。こうして、またしても予定になかった話がアップされる運びとなったの
でした。

これは以前にもどこかで書いたと思いますが、僕は登場キャラクターの「死」に思いを馳せるのが好きと
いう、少し変わった性格の持ち主のようです(笑)。今までも、ウィンシーダさんの話(『TWILIGHT IN
UPPER WEST』)を初めジークリート(『終わらない物語』)、ファルサラ(『窓』@漉嵌)、そしてユーニス
(『約束』@漉嵌)と数々の「死」の話をこの「絵巻物」に書いてきました。そして今回、ついに『カントリー・
ロード』から『ROUND TRIP』に至るまで幅広い登場をしている暗竜トトの番になったわけです。今まで
様々な形の“死”を書いてきたわけですが、今回はまた今までにない形を目指してみました。いかが
だったでしょうか?
なお、今回の話で一番書きたかったのは、実は第2話の最後・・・「不安の象徴、暗竜の翼はいつの
間にか消えていた」というフレーズでした。これが上手く本文に収まったので、個人的には満足して
います(笑)。

最後に、登場人物について少し補足をば。
光竜術士のチェスターは、光竜術士スプラ(『ROUND TRIP』や漉嵌の間の『もしも』にちらっと登場して
います)の実の息子です。父親は光竜の守長(このときの族長はもちろんココです)だったために、
普通の人間よりはかなり長い寿命を持っており、結果的に『ROUND TRIP』と『フラッシュバック』の
両方に顔を見せることができています(もっとも、後者のときは既に老年に入りかけている状態なん
ですけどね(笑))。
チェスターの実年齢は、暗竜術士だったカレルより二つ下。人間の少ないコーセルテルにあって、
カレルはチェスターのよき友人であり、また兄的な存在でもありました。この辺の話は、スプラの
過去と合わせて、いずれまた漉嵌の間に書いてみたいと思っています。

以上で『フラッシュバック』のあとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!