−あとがき−
「音楽元ネタ小説」第26弾、「WHITE MANE」これにて完結です。またしても「急に書きたくなった」
本作は、気が付けば「絵巻物」初の“邪要素”が入ったものとなりました(邪笑←撲殺)。
では、ここからは恒例の音楽の解説と内容の補足などを。
この小説は、T-SQUAREの『WHITE MANE』という曲を聴いて思い付いた話でした。MANEとは英語で
“たてがみ”のことで、タイトルは何かの動物を指す言葉だろうと思われます。その名の通り、鳥の声・
せせらぎの音・木の葉ずれの音などが随所に織り込まれた曲で、どちらかというと日本でお馴染みの
落葉広葉樹林ではなく、アマゾンなどの熱帯雨林を彷彿とさせる曲です。今回のテーマであった
「木竜の里」のイメージにぴったりだったので、そのまま元ネタとして採用してしまいました(笑)。
(余談ですが、この曲は耳コピーしてエレクトーンで弾いたことがあります。中間部のベースのアドリブを
足で弾いたために、以後僕のサークル内での印象ががらりと変わることになりました(大笑))
今回の作品で書きたかったのは、「木竜の里」についてでした。第9作の『September』(イフロフさんの
過去話)にて「火竜の里」についてちょっと触れましたが、当然他の竜の里もあるわけで・・・今回、僕の
中にある想像上の竜の里第2弾として、この「木竜の里」を登場させたくなったのでした(ちなみに、
7種の竜のうち暗竜だけは里が想像できません(笑)。いつか書く羽目にならないことを祈ります)。
コノが初めて木竜の里を訪れた際の描写については結構力を入れてみたつもりなのですが・・・
いかがだったでしょうか。
次に、主人公のコノについて。
まず、コノの性別が男になった理由ですが・・・実は、あまり必然性はなかったりします(爆)。どちらかと
いうと女だった方がしっくり来る気もするのですが、ふと「たまには一風変わった組み合わせにしても
面白いかな」と思ってしまった結果、こんな展開になりました(邪笑)。絵を描けない僕が言うのも
なんですが、この子に関しては色々と絵心をそそられるものがあるんじゃないかと思います(笑)。
それと、コノが第13作の『ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ』登場のアルファライラ以来の“田舎弁”に
なった理由(笑)。コノたち「山の民」の村はミガンティクの北西一帯に広がっているのですが、同国の
内陸部は全てこの“田舎弁”が方言として定着しています。ですから、同国中央にあるフレーシア湖の
出身であるアルファライラを含めて皆が“田舎弁”ということになるわけなんです(笑)。
ちなみに、今のところ「絵巻物」の世界で、方言が設定されている場所が他に二つあります。一つは
お馴染みの南都(冬軍の南の都)で“京都弁”、そしてもう一つが北大陸の東端に位置するアントリムの
“関西弁”です。後者については、第22作である『風のレジェンズ』に登場したアレクがそこの出身と
いうことで関西弁を話しています。
ところで、今回一番苦労したのは実はキャラクターの命名でした(笑)。主人公であるコノとその母
ジュラ(これは「ジュラ紀」のジュラです)は最初から決まっていたんですが、一方の木竜たちの名前が
最後まで二転三転し、結局名前が確定したのは全文が書き上がった後だったのでした。
というのも、これはコノ親子が「山の民」であるという設定のためでした。僕の中でこの「山の民」と
いうのはインディアンに近いイメージがあり(「フクロウの羽」というアクセサリーはそこから)、従って
その名前にも独特のものがあるだろうという想像が働きます。登場する木竜たちは「山の民」である
ジュラが命名したことになりますから、それが普通の英語やドイツ語の名前だとやはり変じゃないかと
思ったわけです(まあ、某木竜術士さんみたいに命名関係の本を読んで・・・というのもありだとは
思いますけど(邪笑))。
作中に登場する「笛」は、フラウタというボリビアの横笛がモデルです(西洋の「フルート」と語源は
同じで、そのものずばり「笛」という意味の言葉です(笑))。音色ですが・・・身近な例だと、サイモン&
ガーファンクルの名曲『コンドルは飛んでいく』のメロディーを思い出していただければ近いと思います。
なお、作中でコノが持たされたという「杖」は、実はこの笛をモデルにしたものです。本編では竜術士は
正装時に杖を持つことになっているようですが、そのデザインはどうも本人に馴染みの深いアイテムが
絡むらしい・・・というところからの発想です(「剣」を模った杖を持っていた竜術士が二人いましたもん
ね(笑))。
以上で、「WHITE MANE」あとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!