−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第19弾、「WINTER WONDERLAND〜冬の都へようこそ!」これにて完結です。しばらく
体調不良の状態が続いたので進みが遅かったのですが、冬の都のシーンからは急に早くなりました。
やはり僕には「会話文中心」の話が向いているようです(笑)。

さて、ではここから例によって元ネタになった音楽の解説や内容の補足などをしていきたいと思います。
この小説は、白鳥英美子さんの『WINTER WONDERLAND』という歌を聴いて思い付いた話でした。
原曲は英語詩(白鳥さんのものは一部日本語詩になっています)で、冬の様々な風景が軽快な
リズムに乗せて歌われています。
曲名の“WINTER WONDERLAND”は、直訳すると「冬のおとぎの国」。そうです、コーセルテルファン
だったら真っ先に「冬の都」を思い浮かべると思います。・・というわけで、今回は冬の都を舞台にした
話になったのでした(笑)。
なお、この話は第8弾の『北風』の姉妹編(主役が違いますから、続編というのは当たらない気がします
(笑))として書かれています。話中のエピソードについてはそちらからのものが結構ありますので、もし
「?」と思われる場所があった場合は『北風』も読まれることをお勧めしておきます(笑)。

この話で、冬軍が出てくる作品は(番外・未完含めて)5本目ということになります。春軍は今のところ
1本しかないので、やはり僕は冬軍びいきということになるのかも知れません(これは、小説を書くの
には寒い方が能率がいい、というのも関係しているのかも知れませんが(笑))。
今回の冬軍の登場人物のセンジュ(漢字は“千手”。柏の一種です)も、例によって「冬軍らしくない」と
いうコンセプトで考えたキャラクターでした。センジュの場合は、ハシバミ(『春よ、来い』)やかつての
アズサ(『北風』)のようにへっぽこキャラではないんですが、「軍人にあるまじき軽いノリ」というものを
目指しました。その甲斐あってか、本文中ではきっちりアズサに「突っ込み」を食らっています(邪笑)。
また、冬の都については、本編及び石動先生のサイトに掲載されている漫画で僅かにふれられている
だけです。今回描いてみたのは「南北にある大きな都」のうちの北のものですが、そこに「カシの
出身地」や「冬将軍とフルーおばあさんの過去(=冬の精霊と人間との係わり合い)」を重ね合わせて
いった結果、こんな話もありかなあ・・・ということになりました。最近また暗くて重い話ばかり考える
ようになっていたので、明るいものを書けてホッとしています(笑)。

冒頭に、ミズキが登山をするシーンが描かれていますが、この描写については北杜夫さんの『白き
たおやかな峰』という小説の影響を受けています。これは、医者である著者が同行したパキスタンの
ディランという山への登山の記録で、登山の具体的な方法に始まり“極度の高所では眠気に襲われる”
といった事象に至るまで大いに参考になりました。
また、本文中に登場している“ユキガラス”という鳥は架空です。モデルは“キバシガラス”というカラスの
一種で、これは8000mを超える高山でも営巣するという強靭な生命力を持った鳥です。スイス近辺
でもよく見られるらしく、周辺への旅行記などを読むと文中によく登場しています。

以上で、「WINTER WONDERLAND〜冬の都にようこそ!〜」あとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!