−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第9弾、「September」これにて完結です。書くぞ書くぞと予告しておきながらなかなか
手に付かなかった「竜術士過去話小説」の最初を飾るのは、結局イフロフさん(というよりもフィナさん
か?(笑))の話になりました。彼女の性格を上手く書き切れたかどうかは分かりませんが、少しでも
楽しんでいただければ幸いです。

さて、ではここからは元ネタになった音楽の解説と、内容の補足などをしていきたいと思います。
この小説は、熱帯ジャズ楽団の『September』という曲を聴いて思い付いた話でした。原曲はディスコの
曲らしいのですが、僕が初めて聴いたのはこちらの「ジャズ」バージョン・・・ということで、僕の中では
すっかりこのラテンのイメージが定着しています。まさにこれがフィナさんのイメージと被るんですよ
ね〜(笑)。あ、ちなみに二人が出会ったのは光竜の月で、地球の暦では9月(=September)に
当たる、ということを付け加えておきます。

次に内容についての補足をば。
まず、イフロフが火竜術士になった経緯についてです(今後書くことはないと思うのでここで設定を紹介
します)。彼は武器を作るのを拒否したためにフェスタ内で「お尋ね者」になり、本人は辛くも逃げ延びた
ものの家族は見せしめに処刑された、という過去の持ち主です。その後、絶望したイフロフは、彼ら
鍛冶の里トラガで神聖視されていたアークセルト火山に投身自殺をしようとし、そこで火竜と出会い
火竜術士への道を歩み始めた・・・というわけです。
なお、この「国にとって大事なものを作れる人間への監視や逃げた場合の処分」というのは、過去
実際に行われた例があったようです。日本でも戦国時代に、稲葉山城(現在の岐阜城)を作るために
斉藤道三が腕のいい大工を探していたとき、隣国尾張(当然バリバリに交戦中)に岡部又左衛門という
有能な人物を探し当てました。しかし、当初岡部は上記の理由で尾張からの逃散を拒否したという
エピソードが残っています(結局彼には家族がいなかったので、道三に説得されて美濃に移り住んだ
わけなんですが・・・普通に家族がいた場合は難しかったと思います)。

次に、各竜の「里」について。
この話では「火竜の里は火山の噴火口にある」という設定になっていますが、基本的に地の五竜に
関しては同じような状況ではないかと思っています・・・つまり「各種族の能力を持ってして初めて生活
できるような場所に里がある」というわけですね。水竜だったら湖の底、木竜だったら大森林の中、と
いった具合に・・・そして、「里長」の大きな役目の一つが、「その環境を維持すること」なのではないかと
思うわけです。
「竜の里」についてはどうもコーセルテルの外にあるようですが、それについて「悪い人が来るから警戒
しないと」といった話はあまり本編では聞かれませんでした。それには、こうした「地理的・物理的
フラグ」が存在するからではないかと解釈し、こうした設定を作ってみたわけです。この「里」の
位置づけは、今後の作品にも登場する予定です。

それから、キャラクターについても一言。
先代の補佐竜として登場させたウルですが・・・彼の性格はかなり『楽園の魔女たち』に登場する
ナハトールの影響を受けています(ああ、ただし「じーさん」と表現されていた先代の火竜術士は別に
グィエン似というわけではありませんよ(笑))。彼はイフロフよりもよほど火竜術士らしかったフィナが
いたく気に入ったらしく、その後もイフロフにくっついて何度かフィナの顔を見に行ってます。メオが
フィナについてよく知っていたというのは、里に帰った際にウルから色々と聞かされたことが大きい
ようです(今ウルがアグリナと会ったらどうなるのかなあ(笑))。
あ、最後のメオの意味深な台詞ですが・・・あれは別に伏線ってわけじゃありませんよ。ええ、そんな
ことはないです(邪笑)。

最後に作中の壁紙についてお礼と補足。
プロローグとエピローグの「火竜術士家遠景」の壁紙は、最近お世話になりっぱなしの崎沢彼方さん
から無理を言ってお借りして来ちゃいました。今後(特に竜術士の過去話を書くに当たって)小説の
プロローグ&エピローグが現在のコーセルテルの竜術士の家の屋内で展開されることが増えると
思うのですが、それにぴったり来る壁紙がなくて悩んでいたんですよね。そこへ、まさに「そのもの
ズバリ」な壁紙を拝見したものですから、もう速攻でお願いしてしまいました。
色も抑えられていて非常に使いやすい壁紙をなんと全竜術士の家について(!!)お借りすることが
できました。うーん崎沢さん、太っ腹!!(こら) この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございました〜v
それから、第3話の壁紙が雪になってますけど、あれは「火山灰」を意識しての選択です。いや、普通
「曇り空」のような中途半端なものってそうそうないものですから、こうして似た雰囲気のもので代用
するわけですね。物語中で雪が降っていたというわけではありませんので、誤解されませんよう(笑)。

以上で、「September」あとがきはおしまいです。
よろしければ、ぜひ原曲を聴きながら読んでみてくださいね!