−あとがき−

「音楽元ネタ小説」第6弾、「夢のきらめき」これにて完結です。石動先生の日記にて「早くて春の終わり
ごろには『コーセルテルの竜術士』が復活するかも」との記述を拝見して、「まずい! それまでには
竜術士の過去話は終わらせないと!!」(←オリジナル要素をぶち込むのは平気なくせに、原作との
設定の食い違いには病的に反応する人間なんです)と急遽執筆に取りかかったのがこれでした。
やれやれ、史上最低な理由です(爆)。

さて、ではここからは元ネタになった音楽の解説や内容の補足などをしていきますね。
この小説は、リチャード・クレイダーマンさんの『夢のきらめき』という曲を聴きながら各場面を想像して
書いたものです。彼の曲の中では最も好きなもので、後の「渡辺サウンド」(なんて大層なものでは
ありませんが)を決定付ける重要な役割を果たした曲でもありました。
「絵巻物」の小説一覧にも“予告編”と銘打ってある通り、この『夢のきらめき』は当初はちゃんとした
小説に仕上げるつもりはありませんでした(いや、「今も仕上がってないじゃん」という突っ込みはどうか
ご勘弁を(汗))。各竜術士について十行程度の、僕のオリジナル過去キャラとの絡みを想像できる
ものを書き連ねておしまい・・・のはずだったんですけどねぇ。気が付けば、いつも通りの分量の小説に
仕上がってました。はは、今後はもっと少ない分量で想いを伝えられるようにならないといけませんね。
反省、反省(笑)。

しかし、こうして竜術士たちの過去を振り返ってみると、大事な人を亡くしている(であろう・・・も含み
ます)人の多いことに驚かされます。その最たるものはやはりカディオさん(とマシェル・・・彼も同じ
境遇のはずですが、明るいのであまり意識したことがありませんね)でしょうか・・・彼の過去の話に
ついては3〜4話の構想がありますので、本編の連載再開までに間に合いそうならば挑戦して
みたいと思います。
なお、この話の内容については、今後各竜術士の過去話で書いていこうと思っていますので細かい
説明はしません。個人的には、最後のナータの「お前のいるべき場所はここだ。・・・夢の中じゃない。」
という台詞がお気に入りですね。

ところで、登場人物や場所の多いコーセルテルではこの小説のような「オムニバス形式」が向いて
いるんですが、僕がこの形式の小説を書いたのは実は初めてではないんです。「日記帳」に昔
『コーセルテルの年末年始』という作品がありましたが、あれがその草分けでした。
この形式だと各場面の記述が短くて済むので書きやすくはあるんですが、その分各場面での展開や
台詞、情景ががあまり被らないよう、また小説の進行と時間の進行が一致するよう気を遣う必要が
あるんです。特に今回は「死んだはずの人に会ってびっくり」というパターンが圧倒的に多いわけ
ですから、毎回同じリアクションにならないよう色々と考えてみました(笑)。いかがだったでしょうか。

最後に、ランバルスさんのエピソードに出てきた「古代文字」についてちょっとだけ解説します。
「絵巻物」の設定では、コーセルテルを含む世界では二種類の文字が使われていることになって
います。一つは表音文字としての「簡易文字」(現代で言うアルファベットのようなものです。基本的に
象形文字で、ルーン文字に似ています。約20文字)で、これが日常の手紙等に用いられています。
そして、もう一つが当該の「古代文字」(文字の一つ一つにそれぞれ意味があります・・・つまり表意
文字ですね。約600文字)で、古い本や遺跡の文章ははこれで書かれているわけです。物語中で
出て来た単語は、最初のものが“headquarters”、二つ目が“upstairs”という意味です。あれは、決して
でたらめなものを並べているわけではなく、ちゃんと意味があったのでした。
この言語体系は、2003年の春に一月ほど入院することになったとき、その有り余る時間を生かして
創設したものです。昔から「オリジナルの言語」に興味があったのですが、ここに来てようやくその夢を
実現することができました。感無量です(笑)。文字数が多いので一覧等についてはどうしようか迷って
いますが、ご要望があればいずれ簡単な「辞典」くらいはアップしようかな、と思っています。

以上で、「夢のきらめき」あとがきはおしまいです。
機会があったら、ぜひ原曲の方も聴いてみてくださいね!