(3)酒
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では、次の話〜。剣とくれば次はやっぱりお酒のことも聞いておかないと。 |
| (き・・・来たな・・・) |
| エレさんの好きなお酒ってあるの? |
| 好きなお酒? そうだなあ・・・ |
| 好き嫌い言わずに、何でも飲んでるわよね。 |
| うん。でも、どっちかって言うと、やっぱり果物のお酒が好きみたいだけど・・・。故郷のお酒に近いんだって、いつか聞いた覚えがあるよ。 |
| そうだよね。キイチゴとか、ブドウとかのが受けがいいみたいだし。 |
| ただ、飲む量が半端じゃなくてさ。つぼでもらったお酒を、一晩で全部飲んじゃったこともあったよね。 |
| そうね。それくらい飲まないと酔えないって、本人は言ってるけど。 |
| すごいですね・・・。 |
| そう言えば、マリエルのところはどうなの? |
| モーリンも、お酒は強いと思います。お酒を飲んだ次の朝になると、台所に空になったワインの瓶が何本もあったり・・・ |
| うわあ・・・ |
| ラスエルはよく二日酔いで寝込んでしまいますが、モーリンが寝込んでいるのは見たことありませんし。 |
| いやぁ・・・ラルカがメリアさんのことを「うわばみ」だって言ってたけど、本当にコーセルテルの女性陣はお酒に強いんだね。 |
| それに引きかえ、男性陣ときたら・・・。未成年のマシェルさんはともかく・・・ |
| そうそう。うちのカディオはなぜかお酒飲まないし、ミリュウさんのところもお酒は控えるって話だし。ぼくらの苦心作が料理酒にされたって聞いてさ、もうがっくりさ。 |
| でも、あとのお二人は・・・? |
| イフロフさんとランバルスさんのところは、補佐がいい顔しないのよね。・・・となると、やっぱり・・・ |
| うん・・・ |
| そこで、何でぼくの方を二人して見るんだよ!! |
| べ・つ・に〜♪ |
| うう・・・絶対何か企んでるし!! |
| そう言えば、エレさんって酔っ払うと滝に飛び込むって聞いたけど。・・・あれって本当の話なの? |
| (クララと顔を見合わせて)うん。どこから聞いたのかは知らないけど・・・本当だよ。 |
| うわ、そうなんだ。さすがはエレさん・・・ |
| でも、それじゃあ後が大変じゃないの? |
| まあね。これで、自分が水竜じゃなかったらと思うと、ぞっとするよ。 |
| でも、なぜそんなことをされたんでしょうか? |
| ・・・・・・。これは、多分だけど・・・。エレはきっと、昔のことを思い出したんじゃないのかな。 |
| 昔のこと・・・ですか? コーセルテルに来る前のことでしょうか。 |
| うん。今までに、お酒を飲んで滝に飛び込んだことは何回かあったんだ。いつも顔は笑ってたけど、目は・・・ |
| ・・・そうね。泣いてたわね、あれは。 |
| ・・・・・・。 |
| カディオさんがお酒を飲まないのも、多分・・・そういうことと関係があるんじゃないかな。お酒を飲むと、昔のことを思い出しちゃうとか・・・ちゃんと理由があるんだと思うよ。 |
| リリック・・・。 |
| 二人の考えてることは分かるけど・・・無理して飲ませようとしちゃ、だめだよ。 |
| わ・・・分かってるわよ。私たちだって、そこまで浅はかじゃないわ。 |