(4)猫
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と・・・ところで、エレさんの額の模様だけど。あれって刺青か何かなの? |
 | あー・・・あれかあ。 |
 | あれはね、故郷の習慣なんだって。何かのおまじないらしいけど・・・毎朝描いてるのよ。 |
 | お化粧の一種だって聞いたことがあるよ。ま、エレの数少ない女らしい習慣の一つってことになるのかな。 |
 | え? |
 | ・・・!! |
 | ・・・へえー。エレさん、家ではあまり女らしくないのかな? |
 | ・・・ふーん。人前ではそうは見えないのにね。気になるわね〜。 |
 | あ、えっと、その・・・今のはほら、ついうっかりって言うか・・・ |
 | (墓穴よ墓穴・・・) |
 | ねえリリック、家ではエレさんってどんな風に過ごしてるの? |
 | なっなんなんにもないよ! ごくふふ普通だよ? |
 | どもるところがますます怪しいね。詳しく聞かせてよ。 |
 | いやっとととんでもない! 毎日、絵に描いたような竜術士らしい一日を・・・ |
 | (って、何よそれ・・・) |
 | リリックさん! 私も、お家でのエレさんがどのように過ごされているかお聞きしたいです。 |
 | マリエル! 君まで・・・ |
 | (もう・・・なかなかガードが固いわね) それじゃ、後でエレさんに「リリックがエレさんは女らしくない、具体的には勝手に想像していいよ」って言ってましたって報告することにしようかしら。 |
 | ひええええええ! それだけは・・・ |
 | じゃあ、話してくれるかい? エレさんの日常生活について、さ |
 | う・・・それは・・・(クララを見る) |
 | もう・・・しょうがないわね。“ここだけの話”として見逃してあげるわよ。 |
 | そ・・・そう? それじゃ・・・ |

 | やったー♪ |
 | エレはね、実は低血圧なんだ。朝起こすのが毎日大変で・・・特に冬になると、なかなか布団から出てこないし。 |
 | 無理に起こそうとすると、すごい暴れるのよ。昔は、よくリリックの顔に足型がついてたわよね。 |
 | うわ、足蹴かい! |
 | 木剣で殴られるよりいいよ。 |
 | (今は木剣なのね・・・) |
 | エレだって、毎日頑張ってるんだ。それは分かってるんだけど、・・・まだ、家事はちょっとね。 |
 | さっきの、お料理の話ですか? |
 | うん、それもあるけど。野菜を切ってくれって言うと、全部繋がってるかまな板まで切れてるかのどっちかだし。 |
 | うわ・・・ |
 | 繕い物を任せると、白かった服がいつの間にか赤くなってたりするし。 |
 | か・・・考えるだけで痛そう・・・ |
 | 他にも、洗濯とか掃除とか・・・水竜術が使えるんだから、うまくできてもいいはずなんだけど・・・ |
 | ・・・・・・。 |
 | ・・・・・・。 |
 | ・・・二人とも、そんな顔してどうしたのさ。 |
 | いや、その・・・リリック、あなたの後ろに・・・ |
 | エレがいるとか? ははは、その手には引っかからな・・・(と後ろを振り返る) |
 | ・・・・・・。 |
 | #◆$&@☆!!?? |
 | ・・・あらリリック、どうしたの? 盛り上がっているみたいだし、先を続けなさいよ。 |
 | ど・・・どーしてエレがここに!!?? クララ、まさか・・・ |
 | あ・・・あたしは知らないわよ! エ・・・エレっ、何かあったの? |
 | ちょっと用を思い出したから、リリックを迎えに来たのよ。 |
 | ・・・用って? |
 | 言わせる気? |
 | (ぶんぶんと首を振る) |
 | あ、エレさん! こんにちわ! |
 | こんにちは。どう? マリエル、座談会は楽しかったかしら? |
 | はい! リリックさんから、エレさんの秘密をたくさん話していただきました。 |
 | (あ・・・そんな言い方すると・・・) |
 | ・・・そう、それは良かったわね。 |
 | (うわああああああ、目が怖いよぉ・・・) |
 | ・・・エレ、ひょっとして途中から・・・聞いてたの? |
 | ええ。“家事はちょっとね”のあたりからずっと。 |
 | あ・・・そう、なの・・・。 |
 | じゃ、リリックを連れて帰るわね。・・・さ、行くわよ。 |
 | え・・・まだ、話の途中・・・ |
 | 何か言った? |
 | い・・・いいえ・・・。 |
 | ・・・・・・。 |
 | ・・・・・・。 |
 | あ・・・あの。え? |
 | リリック・・・ごめん。 |