メランの夢 1
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(・・・?)
畑の手入れが終われば、毎朝の習慣は終わりだった。愛用のハルバードを手に、自分の家の前まで戻ってきたメランは、ふと人の気配を感じてその視線を上げた。
もしや、家族の誰かが遂にこの村に戻ってきたのか。
期待に胸を膨らませ、村の入り口へと駆ける。ややあって、その場に姿を見せたのは、何とヨシュアだった。
(なぜ、ここに・・・!?)
「貴方は・・・メランさん、でしたか。何故、こんなところに―――――」
驚いた顔になるヨシュア。手にしていたハルバードをヨシュアに向けて構え、メランは大声で叫んだ。
「ここは、僕の村です! どうやってここを探し当てたかは知りませんが・・・今すぐに、ここから立ち去ってください!! さもなければ・・・」
「・・・・・・。さもなければ、どうしますか? ・・・その武器で、私を殺しますか?」
「―――――ッ!!」
冷静な調子でヨシュアに切り返され、メランはぎりっと歯軋りをした。そんなメランに向かって、小さく肩を竦めたヨシュアが言葉を継ぐ。
「昨日、シルヴァラントの酒場でお会いしたときも、そうでしたね。私は、貴方とは昨日が初対面のはず。・・・何故、貴方はそれ程に私を憎むのですか。」
「それは・・・」
「教えてください。私は、貴方に何かをしたのですか? そこまで憎まれるほどの何かを。」
「あなたは・・・あなたの仲間は、多くの魔物を殺しました!!」
「え・・・?」
「僕はこの村で、魔物に育てられたんです!!」
「!!」
意外な告白に、驚きに眼を瞠るヨシュア。そんな相手に向かってハルバードの穂先を突き付け、メランは捲し立てた。その瞳には、やるせなさから来る涙が滲んでいる。
「僕の家族は、半年前・・・ここを出ていったきり戻ってきません! あなたたちが、この大陸に来なければ、僕の家族も戦いに出ていかなくて済んだ! ・・・あなたたちさえ、来なければ・・・ッ!!」
「・・・・・・。・・・なるほど。貴方の事情は、概ね分かりました。」
束の間、目線を足元に落としたヨシュアが、小さく頷く仕草をした。
「しかし、私もここで退く訳にはいきません。昨日酒場で言ったように、私は貴方に、どうしても尋ねたいことがあるのです。・・・そのためならば、多少手荒になるのも已