エカテリーナ    2     

(2)家事
エカテリーナさんは、普段家ではどのように過ごされていたんですか?
僕は、長い間エカテ母さんが家にいるのなんて・・・見たことないな。
ってことはだ。おいミリュウ、お前の出番だ。・・・一番あの人と一緒に過ごした時間が長いのはお前なんだからな。
そんな・・・ボクだって、長いってほど一緒じゃなかったよ。
威張るな。
でも、ミリュウ・・・君がある程度の大きさになるまでは、それなりに家にいたんだろう?
そうだね。・・・でも、コーセルテルを出る前も、四六時中出かけてて家にいないことが多かったな。もっとも、風竜たちがいたから寂しかった覚えはないけどね。
ふーん。
家の話だけど・・・そうだなあ、いつもどこかで物が壊れたり、爆発があったりして・・・賑やかだったな。
おいおい。なんでそれが「賑やか」になるんだ。
ば・・・爆発!? 一体何を・・・
いや、料理とかさ。
料理で・・・爆発ですか?
えーと・・・エカテ母さんは、家事はあまり得意じゃないんです。
そうそう。家事は当番制で、別に嫌がってはなかったけど・・・結局失敗することが多かったな。
特に苦手だったのは・・・?
(あっさりと)全部。特に、料理がすごかったな。
あ、そうでした。私も、時々食事をご馳走になったことがあるんですが・・・その・・・あれは・・・
・・・凄かったんですね。
戻ってきたときは、旅先で食べたっていう料理を作ってくれるんですけど・・・
けど?
正直、本当にあんなものを食べているなら・・・僕はコーセルテルの外にはちょっと・・・
・・・分かります。私も、初めて師匠の料理を食べたときは・・・ちょっとそう思いました。
やれやれ。マシェルが料理上手になったのは、ミリュウの料理が余りに凄かったからだと聞いたことがあるが・・・(ミリュウを見て)親子ってのは恐ろしいな。
あれ、ボクのせいかい?
他に誰がいる。
でも、いつも楽しそうにしてるから・・・止めるわけにもいかなくて。
苦労されていたんですね、マシェルさんも。

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