花火        4 

(4)いざ花火!
さーて、お待ちかねの花火の到着だ。早速、実際にやってみようぜ。
でも・・・火をもやすんだよね。あぶなくないのかな。
それに、今はまだ昼よ。ちゃんときれいに見えるのかしら。
ふっふっふ、その点は抜かりないぞ。
・・・そこで、なぜおれを見る。
そっか! 暗竜術があれば、部屋を暗くするのも火を消すのも楽勝だもんね! ランバルスさん、頭いい!!
勝手なことを言うな! そんなこと、絶対に・・・
・・・はなび、できないの・・・?
うっ・・・
マシェルは、なんて言ってたんだっけ〜?
ううっ・・・
ってことだ。諦めて、協力してくれ。
・・・・・・・・・ふう。わかった、仕方ない(暗竜術で部屋が暗くなる)。
やったー! 花火だ花火〜♪
よし、準備はできたな。みんな好きなのを取っていいぞ。・・・リタ、ここに火をつけてくれ。
んーと・・・こう? ・・・うわっ! まぶしい!
すごいや・・・星がでてる・・・.
ふふふ、驚くのはまだ早い。
わ、なに・・・色が、変わった!?
きれいなみどり・・・。
そうだぞ。まあ、手持ちじゃ色が変わるのも一回が限度だが、種類はたくさんあるからな。どの花火からどんな色が出るか、色々試して・・・
姉ちゃん、それあたしがやるの!
なによ、あんただってまだ手に持ってるじゃないの! それが終わってからにしなさいよ!
いいもん、そんなこと言うと・・・姉ちゃんの花火には火つけてあげないから!
なんですって!? こら、リタ・・・待ちなさい!!
・・・って、言う必要もなかったか。・・・おーい、終わったら燃えさしはこの缶の中に入れるんだぞー!
ねえ・・・ナータは、やらないの?
フン。くだらない。
まあ、そう言うな。そんなお前さんにはこれだ(と線香花火を手渡す)。・・・ハータ、火をつけてやれ。
うん。
なんだ、これは・・・(線香花火の先にできた玉が、地面に落ちる)。
あ・・・おちちゃった。
何だ、もうか? この線香花火はな、どれくらい長い間その火を消さないでいられるかが勝負なんだぞ。
そ・・・そうなのか?
ああ、そうだ。ナータ、お前さん・・・ひょっとして、花火はヘタなのかな?
な・・・なんだと!? おい、次だ!
へいへい。(目配せをして)・・・ハータ、あとはよろしくな。
うん!
(ひとしきり花火を堪能するメンバーたち)
あー面白かった!
うん! あとは、さっき聞いた花が咲くやつを見てみたいなあ。
無茶言うなよ。そんな花火一般じゃ手に入らないって。・・・ま、家に帰ったらイフロフに相談してみるんだな。
うん、そうする! そうだ、メオ兄にも手伝ってもらえば・・・
もしかしたら、コーセルテルでも「花火」が見られるかも!
(イフロフ・・・後は任せた)
ナータは? ・・・はなび、おもしろくなかった?
・・・・・・・・・・・・いや。楽しかった。
そう・・・よかったぁ!
今度は・・・みんなでやろう。マシェルも、一緒に・・・。
うん!! きっとだよ!!

はしがき

「コーセルテルの座談会」第3回、『花火』はこれで終了です。
第1回、第2回と連続でコーセルテルのキャラクターがお題の座談会の様子をお送りしてきましたが、
今回は初めて「花火」という“物”がテーマとなりました。僕としては、「コーセルテルには花火はない
だろう」という予想をしていましたので、こんな展開の話ができ上がりました(笑)。

ところで、このお題をリクエストしていただいたリンさんからは、企画当時その内容について「楽しい
雰囲気の話を」という注文をご一緒にいただいていたのですが、実はこれが今回の話を書く上での
一番の難問でした(笑)。
「絵巻物」をご覧いただければ分かるように、僕は放っておくとすぐシリアスな内容やオチの話を書いて
しまう人間です。しかも、今回のお題である「花火」は、儚さの象徴として取り上げられることが多く、
これまたシリアス化にもってこい(笑)。そっちに行かないように・・・と極力頑張ってみましたが、いかが
だったでしょうか?(ドキドキ)

なお、当初リクエストされていたメンバーはアグリナ・リタ・ハータの三人でした。もう一つ空いていた
メンバーを誰にしようかな・・・と色々と考えたのですが、メオでは面白くありません。「花火を知っている
もう一人」として司会にランバルスの起用を決めたことで、もう一人は“元からのコーセルテルの住人
(竜)”にすることに決め・・・最終的にこんな人選になりました(笑)。
ある意味「一番“座談会”(=おしゃべりをする集まり)というイベントに相応しくない人選」になった気も
しますが、そこはそれ。何とかとナータは使いよう・・・なんて言ったら、本人に「ギッ」って睨まれ
ちゃいますかね?(邪笑)