北風
プロローグ
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エピローグ
−エピローグ−
「そう言えば『自己流』で思い出したが、お前の剣だって・・・」
しばらく黙り込んでいたカシが、ふと思い出したようにエレにそう言いかけたとき、湖を一周した生徒
たちが次々に戻ってきた。
「よっしゃー、今回もオレの勝ち!」
「くそ・・・もう少しだったのに!」
「はぁ・・・つ、疲れましたわ・・・」
「マリエル、大丈夫?」
「ええ! さあ、今日も訓練頑張りましょう!」
「おーし、その意気だ。」
マリエルの健気な言葉に気をよくした様子のカシは、最後にちんたら走ってきたロイとリリックに
向かって眉を上げると、無情にもこう告げたのだった。
「こらぁ、お前らは年長者のくせに気合が足りん! もう一周して来い!!」
『えぇー!?』
「・・・文句あるの?」
『・・・・・・。』
不服そうにハモった声を上げた二人は、次いでエレに一睨みされて大人しく二周目を走ることに
なったのだった。恐らく心の中では涙を流しているに違いない。
「よし。じゃあまず、素振り百回だ!」
カシの威勢のいい声が湖に響き渡る。こうして、今日も剣術の訓練が開始されたのだった。