私の名前  1             

私の名前


 −1−

それは、教官の何気ない一言がきっかけだった。
学院で歴史の授業を受け持つのは、初老の地竜だった。にこやかに微笑みながら、授業の合間に
彼はこんなことを言ったのだ。

「竜人化は、竜都ロアノークが出来た頃にはもう一般的だったんですね。その頃は、まだ同族に命名
して貰うことも多かったようですが・・・約八千年前に始祖が誕生してからは、次第に竜術士に命名
して貰い、より完璧な竜人を目指すようになりました。今では卵の時から人化術を施して貰うことも
少なくありませんね。・・・皆さんも、術士やご両親に名前の由来について尋ねてみると、面白いかも
知れませんよ。」

これを聞いた七人の一年生は、一様に考え込んだのだった。

(自分の名前は、どうやって決められたのだろう?)


私の名前(2)へ